時間切れ
「一也、典子さんいらっしゃいませ。
久しぶりだなぁ〜。今日は陸くんは?」
「陸は 冬休み入ってすぐにシンガポールの父さんのところ。
俺たちも明日からシンガポールに行くんだわ」
「お〜! お正月は海外かあ。」
「また 年明け落ち着いたら3人で食べにくるから、ヨロシクな!」
「おう〜、また予約してから来いよ。
最近さ、お前の事務所の子だと思うんだけど…
時々、女の子4人くらいで食べに来てくれてるぞ!」
「へぇ〜、ヒトシの料理が美味しいから女の子達が来るんだよ。
看板がなくてもSNSで話題になるから女の子のお客様が多くなるな!」
「SNSねぇ〜、若いコックも言ってたな〜
俺は、あんまり宣伝したくないんだけどな。
常連のお客様の予約が取れなくなってきたからさ」
「難しいね! 常連さんだけの新作試食会とか繋ぎ止めないと離れてしまうよなぁ〜」
「新作試食会? うむ〜…
一也、ありがとう。そのアイデア貰うわ。
スタッフで話し合いする。
じゃあごゆっくり。典子さんもね!」
「はい。ありがとうございます。いただきます」
ヒトシはニコニコして、他のテーブル客にも声を掛けてから厨房へ戻った。