時間切れ

翔太くんの夏休み。

都会での 1週間が終わる。

明日の飛行機で帰るのだが、今日は陸と2人でお風呂に入りシュンとしている翔太くん…

「翔太くん! 明日 帰っても手紙やメールしてね! またお父さんやお母さんと相談してウチに遊びにおいでよ! ね!」

翔太くんは、泣き出した。

陸は翔太くんを抱きしめて、ヨシヨシと頭を撫でていた。

空港へ送りに行き、カウンターで手続きをすると、
係員と一緒に搭乗口から中へ入っていく翔太くん。

何度も何度も振り返って、手を振ってくれた。

私も、陸も泣きそうになった。


空港からしんみりと帰宅して、夕飯の支度をしていると悟先生から一也さんに電話が入った。

悟先生の話によると、夏休みの宿題は終わってるし
工作もあり、夏休みの思い出の作文も終わらせてあったのでビックリしたとの事。

そして、家族にお土産を渡しながら、
"将来は、陸にいちゃんみたくたくさん勉強して
お医者さんになる!"と 宣言したので、

みんなで、都会でヤル気が出る魔法にかかって帰って来たと話してると嬉しそうにしていたそうだ。

たくさんお礼を言われたらしい。

陸は、それを一也から聞いて、

「俺も、翔太くんに負けられないな!
司法試験に合格して、『カッコイイ弁護士さん』って言われるように頑張らなきゃな! ハハハ」

「頑張れ、陸にいちゃん!」

「頑張れ〜!」


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