時間切れ
それからの典子の体調は、安定していて体重も少しずつ戻ってきていた。
時々、倦怠感で横になる日もあるがご飯の支度はするようにしている。
陸は、一也さんやお義父さんに相談して
大学3年の夏休みから司法試験の合格に向けて勉強し始めた。
大学の講義やレポートもあるので大変そうだったが、
医学生はもっと勉強してるからと言って、
模試も受けて、一也さんやお義父さんに結果を見てもらいアドバイスを貰っていた。
秋… 私の誕生日と結婚記念日。
今年も家で祝うが、陸も友達の付き合いがあり
お義父さんさんも用事があって遅くなるので、2人で祝う事にした。
「ノン!毎年同じ言葉しか出てこないんだけど、
俺と結婚してくれてありがとう!ハイ!」
プレゼントは、薔薇の花束と、バックとフォトフレームだった。
「一也さん、私と結婚してくれて、ありがとう! 貴方のおかげで今日が…ある…大好き…よ。
……一也さん… ハイ、またまたネクタイ!」
「ノン、ありがとう。治療頑張ってくれてありがとう! さ、写真撮るよ!
さ、涙を拭いて〜 結婚5周年!
ノンの45歳を祝して、ハイポーズ!パチリ☆」
「あ〜変な顔だった〜」
「ハハハ! 大丈夫!」
典子と一也は、フォトフレームに結婚記念日の2人の写真を入れた。
来年の分の1ヵ所が空白となったが、2人の寝室に飾った。