時間切れ

冬になり、また典子は痩せてきた。

定期診療にきた 典子と一也。

高野医師から
「海外のいろんな国でも探しているんですが…
典子さん、薬も色々と試しましたがまた抗がん治療を始めようと思います。」

「先生、また半年間ですか?」

「今回は、2ヶ月間にしようと考えています。
その間にもしドナーが現れたらすぐに骨髄移植します。
海外からの場合費用が高くなる事がありますがよろしいですか?」

「はい。構いません。」

「わかりました。
ご主人、この書類にサインをお願いします。」

「はい。」

また南の母に来てもらい、2月に抗がん治療をした…

やはり、吐いたり具合が悪く、寝込む…
体力も落ちているからか、10日以上寝込んだ。

南の母もしばらくいてくれて家事をしてもらった。


陸は、5月の司法試験に向けラストスパートで勉強している。

私もどうしても陸の弁護士の姿が見たいからここで死んでられない。

体調が回復して、起き上がる事が出来るようになったので、私は母に付き添ってもらい銀行へ行った。

母は、私の具合が悪いので帰れずにいた。

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