路地裏の唄
「ただいま帰りましたー」
「帰ったぞーい」
日も昇り始めた頃、初の単独任務をすんなりと終え、二人は意気揚々と現樂の家の戸を開けた。
数秒して、二人は不思議そうに首を傾げる。
「……あれ?
ヒナ、買い物かな?」
いつもならすぐに緋奈咫が玄関まで来て出迎えてくれるのだが、どうやら今日は来ないらしい。
「作業室なんじゃあないかー?」
原十郎の言葉に何となく納得し上がる事にする。
書斎に真っ直ぐ向かったが、そこにここの主の姿も見当たらない。
作業室の扉を開けると、ようやく知った話し声が微かに聞こえた。