拾われたパティシエールは愛に飢えた御曹司の無自覚な溺愛にお手上げです。
でも今は隣には、こうして寄り添い合える大好きな創さんがいる。
そして私たちのことをこうしてあたたかく見守ってくれている人たちがいる。
勿論、それは伯母夫婦と恭平兄ちゃんだけじゃない。
創さんの家族も親戚もそうだし、桜小路家に仕えている菱沼さんも、鮫島さんだってそうだ。
みんな、みんな、私にとってかけがえのない家族だ。
ずっとずっとこうしていられたらどんなに幸せだろう。
けれど、こうしてお互いに想い合っていれば、どんなに離れていたって変わらないのかもしれない。
たとえそれが日本であろうと、海外であろうと、どこであろうと、きっと変わらない。たとえ天国にいる両親であってもーー。
みんながついてくれていたら百人力だ。
【あら、菜々子ちゃん。私は入れてくれないの?】
(あっ、愛梨さん。声がしないからどこかで居眠りでもしてるのかと)
【そのいいかただと、私がいつも寝てばかりいるみたいに聞こえるんだけど】
(やだなぁ。冗談ですよ。それに、さっきの続きですけど、勿論愛梨さんも入ってますから安心してくださいね)
【ふふっ。冗談よ】
(はい。分かってます)
【ふふっ。でもこれまで本当に色々あったけど、こうして皆に祝福されて本当によかったわねぇ】
(はい。ありがとうございます! これからもよろしくお願いしますね)
【こちらこそ、末永くよろしくね】
(はいッ!)
あれから数日後、ふたたびロスへと旅だった私と創さんは予定通り一年後に日本へと戻ってきて、皆に祝福されるなか、素敵なチャペルで永遠の愛を誓い合った。
そうしてそれからまた数年の年月が流れて、あの時、愛梨さんと交わした言葉通り、今も最愛の創さんと幸せに仲睦まじく暮らしている。
その傍らには、可愛い子供たちがいて、カメ吉がいて、姿は見えずとも、相変わらず空気の読めない愛梨さんも一緒だ。
きっとこれから先もこうして一緒に幸せに暮らしていけるに違いない。
きっと、いつまでもいつまでもーー。
こうして、ある日突然王子様に拾われたパティシエールは家族一緒にいつまでもいつまでも仲睦まじく幸せに暮らしましたとさ。
ーおしまいー
長らくお付き合い頂きましてありがとうございました。


