いつか再会する時まで
凛
そんな大騒ぎの夜も過ぎ去った3日後。
学校に行くと、凛が珍しく始業のチャイムが鳴っても来なかった。
その日はただの体調不良かなとあまり不思議に思わずにいると、その次の日も、また次の日も学校に来なかった。
凛が休み始めて1週間後、午前の授業が終わり、スマホの電源を入れると凛からのメッセージが届いていることに気づく。
“助けて”
その短い文面に何かがあったことを悟り、急いで理事長室に向かう。
いつもならノックもきちんとして返事を待ってから入るが、今日はそんな余裕が無い。
「誠さん!凛の家教えて!」
誠「玲音!?いきなりどうした?」
「いいから早く!」
私は誠さんが凛の個人情報が書かれた紙を探している間に簡潔に事情を話す。
誠「凛ちゃんの家はここだ」
「ありがとう!ごめん今日は早退させて!」
それだけ言ってまた理事長室を飛び出す。
今はただ急ぐことしか頭になく、信号で止まると“早く変われ!”と少しイラつきながら凛の家に向かう。