蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目



 千柳様。

 どうして、そんな辛そうに
 瞳を揺らしているのですか?


 私がこのお屋敷を出て行っても、
 千柳様が困ることは
 何一つありませんよね?




 自分の存在の儚さが悲しくて、
 ため息とともに
 視線も床に落としす。



「私はもう……
 千柳様のメイドでは……
 ありませんので……」


「メイドじゃなくても、
 この家に居てくれていいんだよ」


「父と母にも……話してあります……」


「心美ちゃん達もいるんだし。
 雪那はここに住んで……」


「一緒に住もうって……
 言ってくださる方が……
 いますので……」


「それって、雨宮君?」


 なんで急に、
 万里先輩の名前が出てくるのですか?



「雪那は彼と付き合ってるの?」



『違います!』と、
 思いっきり否定をしようと思ったのに

 私の声は、飛び出すのをやめた。



 だっていきなり、
 大好きな温もりに包まれたから。

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