蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目


「千柳様……顔……近いです……」

 
 勇気をかき集めて、言葉にしたのに。




「雪那は、『おはよう』も言えないお姫様なの?」


 蜜甘スマイルで見つめられ。



「可愛すぎなんだから」



 私の耳に触れそうなほどの近さで
 千柳様に甘く囁かれ。
 

 血液が沸騰しそうなほど
 体が熱くなっていく。





「雪那、おはようは?」


「おっ……
 おはよう……ございます……」



 だから、顔近すぎですから。

 顔を逸らすのが、
 精いっぱいなんですから。




「どうしたの?そんなに動揺して」



 わからないのですか??


 ご主人様の放つ極甘に

 寝起きの体が
 過剰反応しちゃうんです!




 そんな、正直なことは言えなくて。



「こんなに朝早く、
 起きていらっしゃるなんて思わなくて……」



 動揺した
 もう一つの理由だけを口に出し

 千柳様と壁の間から
 するりと抜け出した私。





 あ~。危なかった~。


 これ以上
 千柳様の色気に襲われたら……


 抑え込んでいる自分の想いを、
 千柳様に
 こぼしてしまいそうだったよ。


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