蜜甘同居 こじらせ中 ゾルック 二人目



 泣きたくなるのを我慢して。

 マヌケ顔を、なんとか
 清楚系スマイルに作り変えたけれど……


 口角がピクピクしたまま、私は、
 立ちつくすことしかできない。





 ひゃっ///


 ご主人様、こっちに来ないでください!




 今の私には、ご主人様からの
 『蜜甘攻撃』に耐えられないって

 心臓が
 肌を激しく叩いてくるので!





 慌てふためく私の心の声なんて、
 ご主人様に届くはずもなく
 

 意地悪そうに微笑むご主人様が
 私との距離を縮めてくる。




 
 恐る恐る、私も後ずさり。



 
 ……痛っ!




 壁にぶつかった背中が
『これ以上、逃げられません』と
 痛みの警告信号を出した。





 ひゃッ!!
 何この状態!!


 これが乙女の夢見る
 『壁ドン』ってものですか?



 ご主人様の顔、近すぎです!






 胸キュン?


 いやいや……それを通り越して
 死の恐怖さえ感じる。



 だって、私の心臓が飛び跳ねすぎて

 いつ止まっても
 おかしくない感じだから。




 静まれ、静まれ!私の心臓!

 胸に手を置いても、効果なし。

 
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