社畜OL、取引先の社長の恋人に転職しました

そんなことを繰り返すうちに、私は笑えなくなっていた。

笑っているつもりでも、相手から見ると笑っていないように見えるらしい。

それを初めて指摘された時、私の精神はおかしくなってしまったんだ、と自覚した。

『社畜』

その言葉が、私にはお似合いだった。

辞めればいいだけの話だが、どうしても辞められない理由がある。

それは、私の両親のことだった。

専門学校に通わせてもらって、100万円近くの学費を払ってもらった。

ここに就職した時も自分のことのように喜んでくれて、祝ってくれて、たくさん泣いてくれた。

……そんな、優しい両親の期待を裏切れるはずが無かった。

私を突き動かしているのは、ただそれだけだった。

実際今辞めたところで待っているのは、精神科への通院だろう。

そうなってしまえば、また両親に頼ることになってしまう。迷惑をかけてしまう。

それだけは、どうしても避けたかった。

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