ぬくもり
「雪…好きだよ…どこにもいかないで…」
縋(すが)るようにスリスリとしてくる詩くん。
わたしはそんな彼の頭を優しく撫でた。
「もう怒ってないし、詩くんのこと嫌いになんかなってないよ」
柔らかく言えば、詩くんは弾かれたようにこちらを向いた。
「ほんとう…?」
嬉しそうだけど
まだちょっと不安そうな瞳。
ふんわりとしている詩くんの前髪をどかし、安心させるようにキスをした。
目を閉じているその顔が、愛おしい。