ぬくもり
「わたしも…詩くんのこと、大好きだよ」
「雪……」
「それに、ベッド…
勝手に使っちゃってごめんね」
そう謝れば、詩くんは
「ううん」と首を全力で横に振った。
可愛らしい仕草に笑ってしまう。
「俺さ、雪に嫌われたんじゃないかってすごく不安だった…。
嫌いなやつが、目が覚めた時に隣で寝てたらイヤだろうなって思って。眠ってる雪のそばに行かないように我慢してたんだけど…無理だった」
へにゃりと笑う詩くん。
二本の腕は起きた時と同じように、
わたしをぎゅうううっと抱きしめた。