カラフル☆デイズ

小さな声で「はい」と頷き、右足を一歩踏み出す。


だけど、


やっぱりあと少しだけ、ほんの少しでいいから、一緒に居たい――。


踏み出した右足とは逆の足を軸にして身体を半回転させると、そのまま背後に立っていた深月先輩に思いっ切り抱きついた。


「……っ、まひる?」


驚いているらしく、少しだけ動揺した深月先輩の声が耳元で震える。


「深月先輩、好きです」


好きって言えることが幸せだけど、好きって言うと余計に胸が苦しくなる。


離れ難くて抱きついてみたのに、抱きつく前よりも離れ難くなるなんて――。




< 252 / 420 >

この作品をシェア

pagetop