カラフル☆デイズ
あそこです!と、うちを指差して先輩に家の場所を教える。
一度もうちに来たことのない先輩には、この薄暗い中でどの家を指してるのか、上手く伝わったかどうか判らないけど。
「家の前まで送ったら、兄貴たちに見付かる可能性もあるだろうしな」と頷いた。
どちらからともなく放した手に、どうしようもないくらい、寂しさが込み上げてくる。
繋いでいる時はドキドキして落ち着かないのに、離れると寂しいだなんて、一体どうすれば良いんだろう?
そんなことを考えたところで、今は帰るという選択肢しかないのに……。
「……家ン中に入るまで、ここで見てるから、」
帰りな、って促す様に、深月先輩に背中をポンッと押された。