カラフル☆デイズ

照れくさくて、あさ兄の顔が見れないけど、それで良かったと思う。あさ兄の顔を見ながらだと、深月先輩のことは話しづらいから。


「それでね、深月先輩は、月みたいな存在なの。昼間は見えないけれど、でもいつでもそこに()って、見守ってくれる、そんな人だったんだ……」


そういう人だって気付けて、そういう人を好きになれて幸せだった。


「まひるの月、だな――」


あさ兄が、優しく私の頬に触れた後、窓の外に目を遣りながら呟いた。


深月先輩は、真昼の月。


それから、私の――まひるの月だった。


そして、今ではもう月の様に遠くに()る人。




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