研究オタクな令嬢は、ドラゴン【研究対象】に夢中。


見惚れるように彼の瞳を見つめていると、そっとヒューリがイリアの髪を指で弄んだかと思えばその毛先にそっと唇を落とした。

「この髪の美しい輝きも」

今度は艶のあるイリアの赤らんだ頬へと手を伸ばすと、大事そうに優しく撫でる。

「愛らしく染まる頬も」

そのまま顎へと手を滑らせたと思えば、林檎のような潤った唇を指で沿う。

「俺のことを幸せにしてくれるこの笑顔も、全部」

ゆっくりと近づいてくるヒューリの顔と、優しい香りにそっと目を閉じる。

呼吸することすら忘れて、しっとりとしていてでもどこか甘いその味が唇に触れたのを全身で感じ取る。

「太陽の下で見るイリアの姿が美しく、そして……愛おしくて堪らない」

「ヒュ……リ」

「イリアが己の好きを貫くというのなら、俺もそれを貫きたい。ーー愛してるよ、イリア」

紡がれたその言葉に私もだと声を出したかったというのに、邪魔をするように再び唇を塞がれる。

重なった唇に二人分の温もりが灯って、お互いにその感覚が流れ込んでいく。

溢れては溶けていくその想いが破裂して、イリアからヒューリの首に腕を回した。




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