秒速ファシネイト





そんな決意を固めて一条凪と並んで校舎を出た。



「特別に送ってあげる。一条凪の家はどこなの?」


「ありがとー。俺は3丁目だけど」




3丁目って私の家と逆方向じゃん…!




だが仕方がない。


私が今日、一条凪と一緒に帰る目的は2つある。




1つ、親睦を深めること。


この私と2人きりで会話すれば惚れない男子はまずいないだろう。



2つめ。これは万が一今日で、一条凪を落とせなかった場合のことだけど。


一条凪の趣味嗜好をリサーチすること。





何考えてるのかイマイチよくわかんない一条凪を丸裸にしてやるんだからー!



「一条凪。好きな食べ物は?」



「え?どうしたの突然」




キリッと一条凪を見上げた私を不思議そうに見下ろす一条凪。




「どうでもいいでしょ。一条凪は聞かれたことだけに答えればいいの」



「横暴だなー。別にいいけど。和食が好きかな」



「和食…ね。じゃあ好きな女性のタイプは?」



「はは、直球だね」




一条凪が、んー、と考えるように一瞬視線を空にやった。





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