昭和懐妊娶られ婚【元号旦那様シリーズ昭和編】
「そうじゃな。わしはこれで失礼する。凛ちゃん、もうここがお前さんの家じゃ。鷹政をよろしく頼む」
 その言葉に胸に温かいものが込み上げてきた。清さんはきっと鷹政さんか誰かに私のことを聞いて様子を見に来てくれたに違いない。
「はい」
 とびきりの笑顔で返事をすると、彼は満足げな顔をして帰っていった。
「俺たちももう出ないとな」
 鷹政さんはチラッと腕時計に目をやり、次に私に目を向けた。
「凛、後で弥生と一緒に百貨店に買い物に行って必要なものを買ってくるといい」
 このワンピースだって買ってもらったんだもの。
 これ以上、買ってもらうわけにはいかない。
「いいえ、そんな百貨店なんていいですよ」
 丁重にお断りしようとしたのだが、弥生さんが怖い顔で私を見据えた。
「凛さま、行くのよ。私の息抜きの時間を奪う気?」
 彼女の勢いに気圧され、上体を後ろに反らしながら謝る。
「あっ、はい。すみません」
「じゃあ、行ってくる」と私に優しい目で告げる鷹政さんに慌てて声をかけた。

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