病み系先輩の彼氏になりました。

入社４年目…

やっと少し会社にも馴染んできた。

後輩も入って、女性も増えて華やいでいる。

そんな会社で悪目立ちしているのが、

先輩の石川友梨奈さん。

黒いオーラを身にまとい、周りとのコミュニケーションは取らない。

仕事集中型のタイプの人でパソコンとにらめっこしながらずっとブツブツ１人言っている。

どちらかと言うと、絡みづらいタイプ。

誰も何も言わないが、彼女は仕事が出来る。

俺は要領も良くないし、初歩的なミスも多い。

そんな俺だけど、いつも彼女は俺の隣に来てはボソボソと皮肉っぽく嫌みを言い、フワッと居なくなる。

そんな彼女に少し興味をそそられたこの頃。

俺は彼女をよく見るようになっていた。

が、彼女は明らかに嫌そうな目付きで眉間にシワを寄せ、メンチ切るように俺を睨んできた。

さすがにそれには俺も怯んだ。

そんな矢先、俺は母からこんな連絡を受けた。

『彼女の１人や２人紹介しなさい！いい年していつまで１人でふらふら生きてるの！相手がいないならお見合いぐらいさせてあげるから早く結婚しちゃいなさい！』と。

それだけは嫌だ…

けど、多分断っても母さんは聞き入れてなんてくれない。

昔から思い立ったらすぐ行動するタイプで、殴り合いの夫婦喧嘩も絶えなかったし、色んなモノが飛び交うような大きな喧嘩は茶飯事だった。

俺がいじめられたと知ると、学校に乗り込んできて、生徒を、根性叩き直してやる！と締めた。

教育委員会でも、デッドヒートして揉めたらしい。

そんな母さんに先生も恐れて何も言えなかった。

俺はそんな母さんが恥ずかしくてならなかった。