不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

聖也side

聖也side

資材部の見直し案件が、なんとか目処が立ち
残りは教育のし直しのみ。製品管理課の課長も指導に当たるので、こちらは、俺がいなくてもなんとかなるだろうと踏んでいる。

終業後、予定よりだいぶ早くなるが、経理課に戻らせてもらうつもりだと言う俺と課長との話を聞いていた飯島は、課長の前で、従業員とできた溝をどう縮めればいいのか相談にのってほしいと言ってきた。

そんなもの、課長に相談してくれと思って、断ろうとする俺を、課長が、『大小路くんは
コミニュケーションを取るのが上手だから、きっかけでも教えてあげてくれ』と余計なことを親切心から言っていた。

呑気な課長に、若干の苛立ちが沸々と湧く。

あんたがそんな調子だから、こいつがつけあがるのだと…心で罵倒しておく。

仕方なく、社内で話を聞くと言う俺に、素面で相談できないと訳の分からないことを言い出して、嫌な予感しかしない。

今日だけの我慢だ…

飯島を連れ、いつもの店へ向かった。
ここなら、マスターと顔見知りだし、話に困れば、彼に話をふればなんとかなるだろうとふんで…

すると、今日は珍しくマスターは休みで息子の方が立っていた。

この人は、面白いことが大好きな性格。話をふれば、余計なことを言い出すに決まっている。