不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

他の女に同じセリフを言われても、こんな感情は起こらないと確信できる。

「…理性取り戻すどころか、逆にこのタイミングで最強の爆弾…サイコー。嫉妬なんて飛ぶぐらい甘やかして愛してやる。もう、手放してやれないからな」

お互いの思いの丈をキスで示すように唇が何度も触れ合った。

他の男なんかに、渡せない。

香恋の隣にいるのは俺だけだと…

他の男にこの唇も、俺を抱きしめる腕も渡さない。

目覚めた俺は、一度、シャワーを浴びてからベットの端に座り香恋を見ていた。

寝ている姿だけなのに、愛しいと思う。
髪を撫でても疲れて、まだ深い眠りの中を彷徨う香恋。

愛しい気持ちが溢れて何度も顔中にキスをする度、香恋は、眠りを邪魔されてる気がするのか、身じろぐ。

その姿にも、愛しさが増して、彼女の隣に寝て抱きしめる。

お互いの気持ちを伝え合い、目覚めた今も、気分は最高に高いままで、こんなふうに自分がなるのは、多分、はじめて自分から好きだと思う女性だからだろう。

無意識にすり寄る香恋が、気配に気づいて目を開ける。

「おはよう」

「…おはようございます」

「お風呂沸かしてある。入ってこいよ」

「いたっ」

体を起こした彼女が顔を顰めるのは、俺のせいだ。
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