不器用な恋〜独占欲が恋だと知ったのは君のせいだ

聖也side

聖也side

製品管理課の人手不足により、応援という形でやってきたが、酷いありさまだった。

この課の資材部が問題なのだ。
電子部品、主に細かな部品が数千単位で数百種類が管理されている。
下請け業者へ発注する際に、ここから指示書により仕分けられた品々を計量するか、従業員が数えて業者へとなる流れなのだが、パソコンで管理されている数と合わないこともざらにあり、棚卸しの際、毎回、数十品以上の品の数が合わないのだ。

ほぼ、計量なので多少の誤差は問題にならない。だが、大量の誤差や、入荷しているはずの品、その物がなかったりもする。
由々しき事態だ。

その上、一部の部品が足りず、下請け業者へ出せない指示書と一緒に保管しているはずの物も紛失とか…

指示書のナンバーごとに保管しているはずなのに、その保管場所にないとかで、皆で、探して、別の場所から出てくる。

その日に見つかればまだいい。
見つからなければ、終業後でも社員で探さなければならないのだ。
酷いありさまに、毎日、気が滅入る。

名目上は応援となっているが、本来の目的は、人手不足になる原因究明、そして、製品管理課内の偵察。

飯島 香織

資材部の主任でありながら、人も資材も管理できていない。

資材部へ追いやられ不満なのが、やる気の無さが一緒に仕事してみて、みえてくる。
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