Dear my star


 そんな声と共に奥から歩いてきたのは長谷川先輩とお兄ちゃんだった。一瞬視線が重なってばくんと胸が高鳴る。


 「長谷川先輩に神崎先輩! こんにちは~」

 「おいー、後輩のくせに俺らの特等席取るなよ~」


 そう言って長谷川先輩は犬を撫でるようにわしゃわしゃと郁ちゃんの頭を豪快に撫でる。

 郁ちゃんが悲鳴を上げて抵抗するのが、最近は一連の流れになりつつある。


 「真佳たちも涼みに来たの?」

 「う、うん。ここが一番涼しくて」


 そっか、と相槌を打ったお兄ちゃんは私の隣に並び、手すりにもたれ掛かった。




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