Dear my star

「なに、心配してくれるの？」

「心配はしてないよ、真守のことだからあっさりいい大学に進学しちゃうんだろうなって思ってるもん」

「過大評価だなぁ」


くすくすと笑ったお兄ちゃん。


「でも、参考がてら教えて欲しくて」

「……別に普通だよ。医学部か医科大目指してる」

「ええ！？」


素っ頓狂な声を上げると、お兄ちゃんはびっくりしたように私を見下ろす。


「ま、真守、お医者さんになるの？」

「うん、まあね。今は叔父さんたちが経営してるけど、いつかは父さんの病院を継ぎたくて」


ほええ、と間抜けな声で返事をすると、鼻をつままれた。

でもそっか、そうだよね。


今はお兄ちゃんを引き取った、母方の叔父叔母夫妻が『生田総合病院』を経営しているけれど、もとはお父さんが医院長先生だった病院だ。

お兄ちゃんがあの病院を継ぎたいと思うのも自然な流れだ。


ただ、私には到底真似出来ない進学先でガックリと肩を落とす。

何一つ参考にならなかった。