Dear my star
話しているうちに恥ずかしくなって頬を赤くして俯いた。
「私ばっかり話してずるい。真守も教えてよ」
「俺?んー……内緒」
「えーっ」
唇を尖らせてお兄ちゃんの腕を揺するけれど、どこ吹く風といった顔で相手にしてくれない。
「ずるい、ずるい!私は教えたのに」
「ははっ……まあ、少なくとも真佳よりかはずっと前からだよ」
「ほんとに?」
「さあ、どうかな」
のらりくらりと言葉をかわしたお兄ちゃんは小さく笑ってまた夜空を見上げた。
もう、またそうやって嘘つくんだから。
「真佳」
「何……?」
お兄ちゃんが私を見下ろした。
夜空を切りとったような瞳に吸い込まれるように目が離せない。
「俺は何よりも真佳が大切だよ」
「真、守……?」
「他の何かと天秤にかけたとしても、何よりも真佳が大切なんだ」
お兄ちゃんはベンチから立ち上がると、私の前に跪いた。
そっと私の左手を取ると、手の甲にキスをする。