ずっとあなたが好きでした。
「翔子、どうした!?」

潤は私の肩を掴み、びっくりしたような顔をしていた。



「だから…本当に、ごめん。」

私にはそれしか言えなかった。
潤は、そんな私の涙を拭い、そして、そっと抱き寄せてくれた。
潤の優しさに、さらに涙は止まらなくなった。







「……大丈夫?」

私は黙ったままで頷いた。



本当は、大丈夫なんかじゃない。
でも、泣くだけ泣いて、諦めは付いたかな。
私にはもう迷いはない。
どんなことになろうとも、私は本当のことを話す。



(最初から、嘘なんて吐かなきゃ良かった…)



潤には心配かけちゃったな。
泣き出した私を、潤は外へ連れ出してくれた。
人気のない公園のベンチで、私は泣いた。
泣きたくはなかったけど、もう止められなかったんだ。



彼氏のことを話したら、きっと、呆れられる。
嘘吐きだと軽蔑されるだろう。
せっかく潤と再会したのに、もうおしまい。



そう思ったら、悲しくて悲しくて…
どうにかなってしまいそうなくらい、深い悲しみを感じた。
私って、なんて未練がましい女なんだろう。



潤を困らせてはいけない。



元々、私と潤の縁は十年以上も前に切れてるんだから、諦めなきゃ。
何度も自分に言い聞かせて、私はどうにか涙を止めた。
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