ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜

 私の運命は呪われているのだろうか。

 この結婚は、私がたどり着いた最後の光だと思っていた。千秋さんがいてくれて、救われることはたくさんあった。

 まだまだ、彼には近づけていない。彼の中に、私が入る隙はほんの少ししかなかったかもしれない。

 けれど、それでも、少しずつ築き上げてきた関係や空気感が、私たちを少しずつ夫婦にしてくれているのではないかと、そう思っていた。


「この結婚も、偶然バーで出会ったのも、全部仕組まれたこと?」

「落ち着いて。冷静になって、ちゃんと話そう。」

「全部......嘘だったの?」


 人間不信。誰も、何も、信じられなくなっていた。


「社長、緊急のお電話.....が......。」

「ああ。」

 すると、会場から出てきた秘書のような女性。急いで声をかけたものの、この状況にうろたえ様子を伺っていた。


「行って。」

「いや、でも。」

「もう、話すことなんてないから。」

 私はそう言い放ち、彼を突き放す。


 改めて、目の前で社長と呼ばれた彼の姿に、全てが現実味を帯びた気がした。一瞬、何かの間違いで、全部夢だと思いたかった。けれど、違った。

 私の知っている彼は、本当の彼ではなかった。

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