ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜

「今は、SNSの時代。だから、期待した。あんな珍しい花が送られてきたら、写真でもあげてくれるんじゃないか。彩がどこにいるのか、分かるんじゃないかって。」

「それって.....」

 私は、思い出した。

 家から出られず、暇を持て余していた桜が始めた闘病日記のようなブログ。移植をうけてから半年ほど経ってから、「ありがとう」とタイトルをつけ、写真を載せていた。


 ――私の心臓の人、ヒスイカズラって花が好きなんだって

 桜から聞いた、そんな言葉が蘇る。


 点と点が瞬く間につながっていき、現実は恐ろしいほど残酷だった。


「本当は、こんなやり方しちゃいけないって分かってる。でも、どうしても知りたかった。彩が、今も誰かの中で元気に生きてるってこと。」

 私は、なんとなく分かった気がした。千秋さんが、どうして愛のない結婚をしたいなんて言ったのか。

 彩さんという女性。

 きっと千秋さんの心の中には、まだ彼女の存在が色濃く残っている。今でも、きっと愛している。

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