恋する乙女はまっしぐら~この恋成就させていただきます!~

想いのままにまっすぐに(真琴)

***
7年目の夏、奇跡が起きた。


そう。

まさか、まさかの沖田先生の恋人(偽りのだけど)になったのだ!

あの沖田先生が私の提案に頷くなんて夢にも思わなかった。

携帯を握りしめ、だらしなく緩みっぱなしの顔に

「ふふっ、むふふっ」

と笑い声まで勝手にもれて、我ながら気持ち悪いが仕方がない。だって、手にしている携帯には沖田先生の連絡先が登録されているのだから、こんな夢のような嬉しい現実に普通でいるほうがおかしいのだ。
何度もつねった頬は赤くなっていて、つねる度に実感する。

うん、痛い。
確かに痛い!これはまぎれもなく現実なのだ!!


「きゃーっっ!!」


そうっ!!

しかも明日は、早速沖田先生の恋人として一緒に懇親会に参加するのだ。

先生目当てに近づいてくる女性を先生に寄せ付けないようにしっかり先生をガードして、明日はラブラブなところをまわりに見せつけるという重大な任務が私にはあるのだ。

恋人として振る舞うために、先生公認のラブラブ。

ふふっ…。


想像するだけで鼻血がでそう。

今まで私にツンツンしてた先生がどんな甘い顔を私に見せてくれるんだろう…。

いろんな妄想が私の脳内をかけ巡る中、興奮して眠れないと思っていたのに、気がつけば眠りに落ちていて、先生から携帯に入った初メッセージに気がついたのは翌朝で……。

目が覚めるなり私は飛び起き絶叫した。











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