恋する乙女はまっしぐら~この恋成就させていただきます!~

恋人ごっこ(沖田)

***

想像以上に俺たちが付き合いはじめたことは、院内で噂になり騒ぎになっていた。

菊池に煽られて仕方なくとはいえ、自らはっきりと真琴との関係を『恋人宣言』したせいで、出勤時より生暖かな視線がさらに向けられ、廊下ですれ違うドクターたちからは

「沖田先生もついに根負けしたか~」

と冷やかしの声がかけられたり、ニヤニヤしながら黙って肩を叩いていく奴もいた。

こんな調子じゃ半年後に別れたりしたら今度は白い目で見られてまた大騒ぎになるのかと思うとため息が漏れた。

幸いにも真琴は今日仕事は休みで、院内がこんな状態なことを知りはしない。

まぁいたらもっと大騒ぎになっていただろうし、俺を好きでしかたない彼女のことだ。
きっと、煩わしく思って顔をしかめている俺とは違い、頬を緩ませ満面の笑みを浮かべにやついていただろう。
 
そんな彼女の笑顔が容易に想像できて、しかめっ面だった俺の口元もいつのまにか自然と緩んだ。
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