リアル
...


しばらくするとマネキンの様な店員さんが、丁寧に包装された靴達を入れた紙袋を下げ、あたしの目の前に現れた。


「お買い上げ有難うございます。入口までお送りいたしますので。」


口の先だけを上げ、そう言うと、綺麗に伸びた指先で出口のほうに手を指した。

カツ...カツ...っと良い音色のヒールの音。


その靴の音色だけであたしのテンションはMAXに上がる。


出口のドアを静かに押すと包装された四足の靴を手渡された。


「またのご来店をお待ちしています。」

< 203 / 210 >

この作品をシェア

pagetop