リアル
「ご馳走さま~マスターまた来るね♪」

マスターのウィンクの意味が分かった。

アタシの大好きなニンニクは抜いといてくれたのだ。


心の中でありがとうを言い、高下大輔と歩いた。


「さっきの店美味しかったね。麻波が常連になるのわかる気がするな。」


「でしょ♪よく茜達と行くんだ♪」


高下大輔とはあまり会話が続かない。


でもアタシはこうして高下大輔の隣にいられるだけで幸せだった。


アタシと高下大輔は何故か学校のほうへ歩いていった。


多分いつものクセなのだろう。


自然と足が向かう。

校舎に着いた。


そして今まで沈黙だったのに自然と二人で笑ってしまった。

「何で学校だろうね~ウケル~」


「俺も自然と向かってたよ。」


目が合いまた笑いだした。


何故か心が満たされた。


今はいつもの『アレ』はいらない。


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