巡り行く季節の中心から【連載中】
只今体育の授業真っ最中。
まだ春のくせに無駄に張り切っているお天道様に堪えきれず、そそくさと日陰に避難したあたしは、サッカーそっちのけでハルと加奈と作戦会議をしていた。


この二人は金沢と結成した“米澤 冬香と仲良くなり隊”に入隊させた力強い味方。
隊長は無論このあたし。副隊長は向こうでボールを追うことに夢中になっている金沢。
加奈が書記で、ハルは雑用もといただのしたっぱ。


「やっぱり小学校の時に何かあったんじゃないかしら?」
「でも米澤さん青園小出身なんだよね~。春輝くんは初耳かもだけど、この中学校って三つの小学校から生徒が集まってるんだ。ほとんどが東雲小か和泉小から来てるから、青園出身の人の小学校時代の情報はなかなか得られないかも~」


木の枝で地面に簡略な図を描いた加奈の説明に、またハードルが上がってしまったと頭を抱えてしまう。
しかしビバ前向き思考なあたしは、すぐさま威勢を取り戻した。
椅子代わりにしていたボールから落ちそうになりながらも、意気込みを入れ直す。
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