穂先輩が甘々すぎる。



すると、お会計が済んだみたいで、穂先輩が肩に乗った彼女の腕を離して私の方を振り返る。


穂先輩の後に続くように、長身の彼女も私の方を振り返った。


その彼女の方を、私は人見知りを言い訳に見ようとしなかった。


穂先輩は、私の方を首を傾げて不思議そうに見つめていた。


私は今自分がどんな表情をしているか…よくわからないけれど、穂先輩の表情を見るにいい顔はしていないと思う。


穂先輩に自分の顔を見られたくなくて、俯いて自分の履いているローファーに視線を落とした。



「…ほたる?紹介するよ、こいつは、「…っあ、今日は本当にありがとうございました…!おいしかったです。ではまた…!」



私は限界でとてもこの場にはいられなくて、穂先輩の言葉を遮り早口でそういうと、穂先輩の言葉も待たずにお店から出ていった。


急いで駆け出したから、カフェの扉のベルの音の反響が速く遠ざかっていった。


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