腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
軽く1時間ほど泳いで、休憩を取り、また1時間泳ぐ。
終わったころにはプールのガラスから見える景色は暗くなっていた。
ふう、と息をつく。
須藤先生を見ると、先生は私を見てまた嬉しそうに笑う。
まるで恋人みたいだ。
周りの人は、私たちをきっと恋人と思うだろう。
そんなことを考えて、胸が痛んだ。
「先生、思ったより泳ぐの速かったね?」
「そりゃ、あげはに比べたら、手足の長さが違うからね」
「なにそれ」
私は頬を膨らませる。「でも私も勝ったもん」
「うん」
先生は頷いて、愛おしそうにこちらを見ていた。
その表情に、思わず目をそらす。
「先生、何回かは途中で立ってたから失格だったし」
「バレるもんだね」
先生はお手上げのポーズをして、私はそれを見て笑った。