腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
そしてもう一つは、暗示。
寝ている彼女にいつも僕は話しかける。
ゆっくり、丁寧に。
低く、言い聞かせる。
「……あげは、覚えていて? 僕が聞いたときには、必ず何にでも答えるんだよ。僕に隠しごとなんてしないようにね」
毎日毎日、言い続けた。
心理学だけでなく、催眠術なんて怪しげな本まで手に取って。
彼女が高校に入ったころ、
これが思わぬ効果を発揮しだした。
「あげは? 今日、どうして遅くなったの」
まっすぐとあげはに問う。
あげはの目を見る。
あげはが答えないように戸惑った表情を見せると、
「教えなさい」
もう一押しする。
すると、彼女はすんなり答えるようになっていた。
「え……あの、クラスの榛村くんが一緒に帰ろうって……」
「ふうん」
榛村ね。
きっとあげはに気があるのだろう。
とりあえず身元を調べて、あげはに悪さをできないようにお灸をすえた。