腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
ボタンのついた白衣を手渡され、
僕は、ありがとう、と笑う。
彼女も笑って、じゃ、と去っていった。
あの顔を毎日見れたら幸せだろうな。
そんなことを思っていると、実験室から顔を出した当時の学生が、
「あの子誰ですか? 他大学の子ですか? 紹介してくださいよ」
と言い出す。
僕はギロリとそいつを睨んだ。
きっとそいつの方が、彼女と年齢も近いし、
話も合うのかもしれない。
「キミ、潰されたいの?」
でも、だめだよ?
「いや、ちょ、須藤先生、怖いですって!」
急に怯えだした学生に、我に返る。
あ、ごめんごめん。
そう言って、僕は笑顔を取り繕うと、
「鳥羽教授の娘さんだからね」
と言った。
「へぇ……」
「だからだめだよ、手なんて出したら。鳥羽教授も、僕も、許さない」
そんなことしたら、たとえ学生相手でも何をするかわかんないんだ。