腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】


 ボタンのついた白衣を手渡され、
 僕は、ありがとう、と笑う。

 彼女も笑って、じゃ、と去っていった。
 あの顔を毎日見れたら幸せだろうな。


 そんなことを思っていると、実験室から顔を出した当時の学生が、

「あの子誰ですか? 他大学の子ですか? 紹介してくださいよ」

と言い出す。
 僕はギロリとそいつを睨んだ。

 きっとそいつの方が、彼女と年齢も近いし、
 話も合うのかもしれない。


「キミ、潰されたいの?」


 でも、だめだよ?


「いや、ちょ、須藤先生、怖いですって!」


 急に怯えだした学生に、我に返る。

 あ、ごめんごめん。
 そう言って、僕は笑顔を取り繕うと、

「鳥羽教授の娘さんだからね」

と言った。


「へぇ……」

「だからだめだよ、手なんて出したら。鳥羽教授も、僕も、許さない」


 そんなことしたら、たとえ学生相手でも何をするかわかんないんだ。


< 150 / 252 >

この作品をシェア

pagetop