腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「うん、ありがとう」
「お祝い、どうしよう?」
「いらないよ、そんなの」
「でも……」
彼女は何か考える。
僕は、
「じゃあさ、ボタン。白衣のボタン取れかかってるの。つけて」
自分の真新しい白衣を指さす。
さっき、ひっかけてしまったのだ。
「え? そんなのでいいの?」
「うん」
それがいいんだ。
彼女は持ち歩いていた小さな裁縫セットで、そのボタンをつけなおしてくれた。
ちなみにこの時の白衣は、今も大事に着ているし、
毎週クリーニングに出してメンテナンスにも余念がない。
彼女はこんなちっぽけな出来事忘れているだろうけれど、
これを知った時、僕の愛の深さを感じればいいと、そんなことを思う。