腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
先生は覚悟を決めた僕を見ると、小さく、諦めたように息を吐く。
「……私は相手が君なら、そして、あげはがいいと言えば、文句など何もないよ」
さすがあげはの父親だ。
研究面だけでなく、人間的にも尊敬している先生。
鳥羽先生は、結局僕にも、優しくて、甘い。
僕は微笑むと、
「そうですか、よかったです。鳥羽先生にもご了承いただけて」
と言った。
「『も』?」
「すでに奥様からは了承をいただいていました。では、あげは自身がいいと言うなら、問題ありませんね?」
先生は驚いた顔で、僕を見つめる。
先生って、やっぱりあげはに似ている。
そういうところも含めて、
僕は鳥羽先生のことが好きだ。
「あ、あぁ……」
「結婚も近々になると思います。楽しみにしていてください。先生のお孫さんも、きっとあげはに似て、かわいいと思いますよ」
鳥羽先生が言葉につまる。
「いいけどよくない……。須藤くんがあげはの夫……? あげは、これから大丈夫か?」
不安そうに鳥羽先生がつぶやくその声は、聞こえないふりをした。