腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】


「蜘蛛」

 私はふと三枝先生のことを思い出して思わずつぶやく。
 たしか『蜘蛛は網を張って獲物が来るまで待ってる』ってやつ。


「蜘蛛って節足動物の?」

「須藤先生……網張ってたの?」


 私は思わず須藤先生の顔を見た。
 須藤先生はきょとんとした後、くすくす笑って、

「うまいこというね」

と言う。


「三枝先生が前に、須藤先生の話をしてる時に、急に『蜘蛛』の話をして……。その時はよくわかんなかったんですけど……」

「今はその意味がわかるんだ?」

「……たぶん、少しわかります。わかりたくないけど……」


 私が泣きそうになって呟くと、


「ほんと、あげはは鳥羽先生に似てるよね」

と何かを思い出したように須藤先生は笑った。

「お、お父さん?」

 ポンポン、ってあやすように二回頭を叩かれて。
 そして、須藤先生はベッドサイドにある引き出しから、すっと一枚の紙を取り出して私に見せる。

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