腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】


 私が乗ると、先生も運転席に乗り、車は発進した。


「あの……何か怒ってます?」

「怒ってないよ」

「そうですか?」


 確かに機嫌は先ほどより少し治っているように感じた。
 私は運転する須藤先生の横顔をなんとなく見つめていた。

 そういえば、デートの時も田中さんの助手席には乗ったことなかったなぁ。
 そもそも男の人の助手席に乗るのって、父を除けば須藤先生が最初なんだ……。


 私はぼんやりとそんなことを思う。
 そう思いだすと、なんだかドキドキしてきた。

 ハンドルを握る須藤先生の手を見る。
 それがやけに大きくて、大人の男の人の手で、またドキドキする。

 いつもその手で実験してるところを見てるのに、
 なんで今?

 今なんて、ただ、送ってもらってるだけなのに。
 ゲスドウなのに。

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