腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】


「そりゃ夕方だしもうだいぶいいですよ」

 私が目線をそらして答えると、須藤先生は袋に入ったタブレットを差し出してきた。
 『サンプル』と名前がついている。

「これ、肝臓にいいらしいから。あ、さっきね、医学部で打ち合わせした時に押し付けられたサンプル。だからあんまり気にせずもらって」

 私が黙っていると、須藤先生はそれを袋から取り出し私の口の前に持ってくると、

「はい、あーん」

と言う。


 あ、あーん……だと⁉


「は?」

「あーん、して」

「え……いや、いいですよ」

「せっかくだからね」

「いや、あなたそんなキャラじゃなかったですよね?」


 そうだ。
 こんなことされたことないぞ!

 なんでいま! なぜなんだ!
 なんでこの先生は、いちいち人を惑わせるようなことを平気でするんだろう。

 ゲスドウめ!

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