腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
しかし、私は昔から、須藤先生に隠しごとの類はできない。
不思議とそう刷り込まれてきているのだ。この刷り込みは怖い。
私がぐっと唇を噛んで悩んでいると、須藤先生は、
「本?」
と聞いてきた。
私はまるで操られるように口を開く。
「いや、ネットで」
「ネット? うん、それで?」
もう完全に尋問のそれだ。
「なんかちょっと、いや、ちょっとどころじゃないけど、やらしい感じの漫画を見てしまって。冒頭3ページだけど、冒頭ちょっとというかカナリ……」
言葉に詰まって、もうお手上げだと須藤先生を見上げる。
なのに、須藤先生はにやりと笑った。
「へぇ」
「恥ずかしくなってちょっとしか見れなかったの! 田中さん、あんなじゃなかったし」
私が思わず言うと、須藤先生の目が光る。
あ、なんとなくわかったけど、『田中さん』って単語は須藤先生には鬼門なのかもしれない。