腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「ま、漫画は、想像してドキドキして、心臓バクバクして、もうダメだって途中でやめたんだって! たった3ページしか読んでない!」
「へー、でも、それで想像はしてくれたんだ。その想像の相手、ちゃんと僕だった?」
言ったのにやめてくれなくて、そのまま、先生の息が耳にかかり、
耳をまた優しく噛まれて、次は舐められた。
「んんっ、……うん! そう! そうだから! もうやめてっ……!」
私はこくこくと何度も頷く。
し、信じらんない!
背中がずっとゾワゾワしてる。
なんなの、これ。なんで須藤先生、こんなことすんの!
「土曜あんな約束までしてるんだから想像する相手、須藤先生しかいないでしょ!」
私が諦めて叫ぶと、
「ふうん」
そう言って、ふふ、と笑う声。
耳を押さえて須藤先生の顔を見ると、須藤先生は本当に嬉しそうに笑っていた。
―――だから、その顔で笑うの、反則でしょ?