腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

「ま、漫画は、想像してドキドキして、心臓バクバクして、もうダメだって途中でやめたんだって! たった3ページしか読んでない!」

「へー、でも、それで想像はしてくれたんだ。その想像の相手、ちゃんと僕だった?」


 言ったのにやめてくれなくて、そのまま、先生の息が耳にかかり、
 耳をまた優しく噛まれて、次は舐められた。

「んんっ、……うん! そう! そうだから! もうやめてっ……!」

 私はこくこくと何度も頷く。
 し、信じらんない!

 背中がずっとゾワゾワしてる。
 なんなの、これ。なんで須藤先生、こんなことすんの!


「土曜あんな約束までしてるんだから想像する相手、須藤先生しかいないでしょ!」


 私が諦めて叫ぶと、

「ふうん」

 そう言って、ふふ、と笑う声。
 耳を押さえて須藤先生の顔を見ると、須藤先生は本当に嬉しそうに笑っていた。



―――だから、その顔で笑うの、反則でしょ?

< 76 / 252 >

この作品をシェア

pagetop