腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
私が言うと同時に、研究室の戸が開いた。
入ってきたのは、いかにも、というようなキレイな女性。
髪は黒髪で長くてきれいだが、化粧は濃い。スカートも短い。
こういう女性は中学・高校の10代で処女なんて捨ててしまっているだろう。
うらやましくはない。
私はこれでも、結婚相手を自力で探し、その相手にハジメテをあげようとしていることが誇らしくも思っていたのだ。
「須藤先生~」
甘ったれたような猫なで声が研究室内に響く。私の背中はゾワゾワした。
私の存在なんて見えていないらしいその女性は、須藤先生にしなだれかかり、続ける。
「どうしてあれから連絡くれないんですかぁ~」
私はすっと目を細めて、須藤先生を見る。
須藤先生は、困ったように頭をガシガシと掻く。
私はそんな先生を横目で見ながら入り口に向かい、ぺこりと頭を下げると、
「それでは『ゲスドウ』先生、失礼します」
と言った。
「ゲスドウじゃないって……!」
そう叫んだ声は、私が強引に閉めたドアの音によってかき消された。