腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
私の名前は鳥羽あげは。25歳。
鳥羽研究室、トバ研の事務員だ。と言っても正規職員ではなく非常勤職員。
大学の研究室での事務員は多くの場合、非常勤職員が雇われている。
多くの場合、というのは、事務員のいない研究室も大学には多く存在しているからだ。
研究室の事務員と言うのは、大学本部や部署の事務と違って、大学側が雇っているのではなく、それぞれの教員が自分の研究費で事務員を雇う。研究費に余裕がなければ雇えない。
うちの場合は、私の父である鳥羽浩一郎教授の研究費で私を雇ってくれている。
大学を出て、どこにも就職できず、何ににもなれなかった私にも、父だけは非常に甘かった。
ゲスドウ……いや、須藤先生はというと、私がここに来たことを冷やかしたり、いじりながら、なかなか面倒見がよかったりもした。
それも、昔から私の家庭教師だったせいかもしれない。
あの男は、女を食い散らかす『ゲス』な部分を除けば、イケメンであり、学生にも人気で、事務員にすら優しいいい先生である。
お願いだから、この大学の学生にだけは手を付けないでほしいと切に願っている日々だ。