DIYで魔法世界を再建!
そう、確かに夜のバラエティ番組で見た事がある。『前世の記憶を引き継いだ少年』とか、『己が殺された過去を持つ息子』とか。
ついこの前まで、そんなのフィクション作品の類だと思っていたけど、こういった裏事情が分かと、また更に面白く感じる。
・・・まぁ、もう番組自体を見る事はできないんだけど・・・。
ただ、前世の記憶が有るか無いかでは、大きな差があると思う。私はまだ17歳ではあるけど、生前に多くの知識を学んだ上で転生すれば、もう最強だ。
私の場合は、『無いよりはマシ』レベルだ。私が生きていた期間は17年、人生100年時代と言われる現代では、だいぶ短い方。
ただ、何も教わっていないわけではない。計算ができるだけでも、買い物に苦労しない。家庭科を習っていれば、料理のハードルも低くなる。
学校の有り難みを17歳で知るなんて、予想外すぎて自分でも笑ってしまう。ただ、私はそれなりに頭が良い方だったから、中学受験などの努力が報われているのかもしれない。
なるべく家計に負担をかけない為に、私は小学生時代から必死になって、学業に精進していた。『特待生』という数少ない椅子に座る為に。
その結果、私の努力は報われた。だから私が今まで通っていた高校も進学校。妹や弟も言ってくれた、

「お姉ちゃんは凄い!」 「お姉ちゃんは無敵!」 と。

ただ、そう言ってくれる人と離れてしまうと、途端に不安になってしまう。今この現状は、たった一人の両親ですらも介入できないんだから。

「・・・で、お前はどうするんだ?
 俺はどっちでも構わない。お前自身で、お前の進みたい道を選べ。」

「・・・あの・・・聞いてもいいですか?
 その転生される世界って、一体どんな世界なんですか?
 私が生きていた世界と変わらないんですか? それとも・・・」


「あぁ、そうだな。それも検討には欠かせない材料だからな。
 ・・・だがな、言っておくけど

 お前が転送される予定の世界は、お前の住んでいた世界とは

 ほぼ『真逆』だ。」

「・・・ほぼ?」
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