DIYで魔法世界を再建!
第四十五章 伝説を再現した姿
「『古龍』・・・
 そういえばヌエちゃんから聞いた事がある。まだこの世界に人間が誕生して間もない頃に、人
 間へ嫉妬を抱いた動物達が、邪悪なる龍へと姿を変え、神々に歯向かった話。」

生前の世界にも、似たような話があった。多分この世界の『古龍』は、生前の世界では『悪魔』としての立ち位置だろう。
私の家は宗教に関してはそこまで関わりを持たない・・・というか、我が家の宗派とかも全然聞かなかった。でも父の仕事上、神社へのお参りはしっかりしていた。
私が通っていた中学には、キリスト教を信仰するクラスメイトも数人いた。日本はそんなに宗派や宗教に関して厳しくないから、どちらかというと日本史や世界史でのイメージが強い。
この世界にも色々な宗教がある事は住民から聞いていたけど、大方の宗教に通ずる話は、『魔術世界の誕生』から『古龍VS神々』までの神話。
でもその大雑把なストーリーは、ある意味『お約束』だった。

神々が手塩に掛けた人間に嫉妬した動物達が、憎悪の心を増幅させた結果、禍々しい怪物に姿を変えた。そして地上で殺戮の限りを尽くす。
これに危機感を抱いた神々が怪物達を撃退。再び人間達の平穏な生活が幕を開ける。ただ、その戦いによって深傷を負った神々は、この世界の一部と化し、いつまでも人々を見据える存在になった。

・・・というストーリーだった気がする。ただ、その話が実話かどうかは、ヌエちゃん達にも分からなかった。それはある意味、歴史と同様。
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