DIYで魔法世界を再建!
「本当に?」

まだ視線は安定しないけど、ぼんやりと見える視界だけを頼りに、二人へ訴えかける。

「確かにシーズさんは、この世界を破滅へと導いた『トリートン終末戦争』のきっかけになった
 国の王族。でも彼が終末戦争を仕掛けたわけでもないんでしょ?」

「「・・・・・。」」

「・・・結局、『責任』というのは、求めれば求める程虚しくなるだけだよ。終末戦争で起きた
 様々な責任をシーズに擦り付ける方が、よっぽど恐ろしく思えるけど。」

「それは・・・姉さんが異世界から来た人間だから言える事で・・・」

「何?? ここまで一緒にやってきて、私だけのけものにするつもり??」



「全く、ユキナの言う通りだ。」

首筋にひんやりした感触が伝わったと思ったら、シナノ様がいつの間にかこっちに来てくれていた。そしてシナノ様は、まだヒリヒリする私の鼻をそっと撫でてくれた。
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